この街でタバコを吸うのはふたりだけ

この街でたばこを吸うのは
俺とお前のふたりだけなのに
角ごとに立っているたばこ売りは
誰を待っているのだろうか

黄色いピースと
緑のマルボロが
あればそれでいいのに

愛を探していたはずなのに
得たのは彼女の憎しみだった
恋という悪霊にうなされて
夜を眠らず飯も喰わず

煙をなめる
いつかは消える
命を焦がす
たばこの灰のように

亡霊のように漂う
香りをうちわで払う
We will not be in love…

胸を砕く
知らずに落とす
風に崩れる
たばこの灰のように

漂う煙を従えて今日も元気と
うそぶき笑う
この街でたばこを吸うのは
俺とお前のふたりだけなのに

どこかで鳴らす
ライターの音が
聴こえるはずもないのに